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2006年5月29日 (月)

カルティエ現代美術財団コレクション展

このところの連夜の不眠がたたってか、風邪気味なようです…。

*カルティエ現代美術財団コレクション展/東京都現代美術館
 060702まで/10:00-18:00/月休/1500円

企画展示室のB2-3階まで全て使う、開館展以来の大規模な企画ではないでしょうか。
MOT開館10周年記念のようですが、それがコレクション展というのも少し寂しいか。

しかし「カルティエ」の名前につられてか、入場者は多かったです。
一応「現代美術」展だし、相当な展示規模なのに大丈夫なのだろうかと思いましたが、
展示はまあなんとも大胆というか、MOTの特徴である「とにかく大きなハコ」を
最大限に利用した、巨大で大掛かりのものを少数配置するというもので、
案外すんなりと見られてしまいました。

全体的な印象はファッショナブルでポップで楽しい、遊園地のようなかんじ。
逆に時代の最先端というようなとんがったものは少なかったようです。

ヤン・カラサーナ・シウダのヴィデオは母国キューバの政治体制を
赤いカーペットを歩く馬としてアイロニカルに表現しています。

ヴィヤ・ツェルミンシュ岩石とそれそっくり模倣したブロンズ像を併置した作品は
美術というくくりに対しての問いかけに見えます。

ジェームズ・コールマンのヴィデオは視覚と聴覚、身体全体に響いてくるインスタレーションです。
とぎれとぎれに流されるモノクロのボクシングの試合風景に、
心臓音のような大音響と叫ぶようなモノローグが重ねられている作品は迫力満点です。

レイモン・ドゥパルドンによる世界各地の都市の風景を同時に並べた作品は、
作者の都市に対する偏見も見え隠れするのが気にはかかりますが、
日常で何が幸せで何が不幸なのか、あらためて問いかけてくるような展示でした。

ウィリアム・エグルストンと川内倫子の写真は日米のノスタルジーを対照的に見せていて興味深い。

ウィリアム・ケントリッジの木炭画アニメーションを見るのは2回目ですが、
今回の作品はどことなく悲しみをたたえたヴィデオでずっと見ていたくなるものでした。

ボディス・イセク・キンゲレスの「第3千年紀のキンシャサのためのプロジェクト」と題された
ラスベガスをよりポップにしたような未来のアフリカの建築群の模型は、
おそらく永遠に来ないであろう経済的豊かさと、豊かさ=幸せでないという
どこか冷めた絶望感のようなものが隠された作品のように感じました。

ライザ・ルーによる大量のビーズでおおわれたアメリカの庭を模したポップなインスタレーションは
まずその徹底した制作力に脱帽しますが、きれいな花だけではなく、
美しいとは言えないしわしわの洗濯物までビーズで覆うことによって、
美とそうでないものの違いというものを根本的に問いかける作品になっていると思います。

森山大道は従来の都市の裏面を捉えたの写真に加え、
ポラロイドで撮影された室内のディテールをタイル状に並べることで、
奥行感のないフラットな写真という新たな試みを見せています。

ロン・ミュエクによる巨大なもの憂げな中年女性のスカルプチュアは最もインパクトがあるものでした。

その今にも動き出しそうな不気味なリアルさ。これも美術に対するひとつの問いかけに見えます。

デニス・オッペンハイムの長ーいテーブルを介して対面する小さな人物像が、
互いに同じ言葉を延々繰り返すという作品は、これも強烈でした。
現代における人対人、国対国のディスコミュニケーションのアイロニカルな表現なのでしょうか。

トニー・アウスラーの作品を見るのは2回目か。
巨大ないくつもの球が展示室内に転がり、それに人物の目の映像が映写されています。
うす暗い部屋の巨大な目玉のあいだをぬって歩く体験はなんとも不気味。

サラ・ジーの一見稚拙なレディメイド製品を多用したコラージュのようなインスタレーションは
下から見上げると、何とも言えない浮遊感に充ちています。
それは現代の夢?現代のシャガール?

アドリアナ・ヴァレジョンや松井えり菜の作品はグロい。
少々のグロさならば慣れているつもりでしたが、今回は全体の展示が大規模で
個人的に体調が優れなかったこともあり、展示に「あてられた」感じがしました。

 

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