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2006年10月22日 (日)

ビル・ヴィオラ はつゆめ

*ビル・ヴィオラ はつゆめ/森美術館
 070108まで/無休/10:00-22:00(-17:00火)/1500円

美術の評価なんていうものは個人個人でまちまちで、
自分のこのレポートも役に立っているかというと怪しいです。
特に現代美術の先端を見ているような人には保守的でどんくさく見えるでしょうし、
逆に普段、印象派の絵画とか見ている方には理解できない部分も多いかもしれません。

で、結局個人的な印象を書くしかないのですが、「素晴らしい!」。
クリストの布、ロングの石、タレルの光など一見なんでもないところに何かを見ようとする人、必見です。
タルコフスキーの時間が引き伸ばされたような映像、ワンカットがすべて絵になっている完成度、
水や火といった原始的なテーマに魅力を感じる人、同じく必見です。

自分が最初にヴィオラの作品に触れたのは1991年、フランクフルト近代美術館地下での
「ストッピング・マインド」で、この最初に出会った体感型映像インスタレーション作品は、
あまりに強烈だったので、作品名まで覚えていました。
それ以前には大規模なインスタレーション作品のなかったヴィオラに
あれだけのスペースを割いたドイツのキュレーターは先見の明があったと言えるでしょう。

それは、2つのモニターにひとの生まれたばかりと死のうとしている映像を対面させた作品
「天と地」とともに暴力的な初期の若々しい作品でしたが、1995年に突如あらわれ、
2000-2001年に様々なバリエーションを生んだ、「グリーティング/あいさつ」をはじめとする
かなり速度を落としたスローモーション、鮮やかな色彩、光、美しい構図、無音、
もしくは速度を落として判別不能な声、クリアな画面、などという古典絵画を動画にしたような作品は
高い完成度、オリジナリティとともに作家の明白なひとつの到達点を示しています。

この1年ほどの間で、国立近代美術館で「驚く者の五重奏」、水戸芸術館で「サレンダー/沈潜」と続けて
展示されてきましたので、見られた方もいると思いますが、その源泉である「グリーティング/あいさつ」
本当に動画か疑うほどゆっくりと3人のポートレートの表情が変化する「アニマ」
修道士の生活を思わせるストイックで禅的な生活映像を5面並べた「キャサリンの部屋」
大きな部屋の5つの巨大画面に、水に飛び込む人間を違う方角から撮った映像を
反転加工させたりずらしたり、もちろんスローもかけて美しい作品に仕上げた「ミレニアムの5天使」。
そして「ストッピング・マインド」。どれも必見です。
できたら人の少ない平日に半日くらいかけて鑑賞したいものです。

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