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2007年7月29日 (日)

郵便貯金局

トリをつとめるのはこれ。Dh000133

*郵便貯金局/1906年
 オットー・ワグナー/ウィーン/オーストリア

ワグナーはアール・ヌーヴォー(ユーゲント・シュティル)期の建築家ですが、
金属的な素材、造形感覚が特殊で、一様にはくくれない独自のデザイナーである
という点では、後のF.L.ライトと共通する部分があるかもしれません。

初期の作品は壁面の装飾に重点を置いたものが多かったのですが、
20世紀に入ってから、郵便貯金局、シュタインホフの礼拝堂という
建築と装飾、素材が一体化した力作を次々と残しました。

自分が前に訪れた20年前はちょうど休日にあたり、郵便局のなかに
入れなかったので、今回は待ちに待った体験となりました。

エントランスの幅広の階段を上ると、中央にトップライトを設けたガラス張りの天井の
明るい吹き抜けホールがひろがり、その両側には天井高さをおさえたカウンターが
整然と並んでいます。

これは主廊、側廊という教会建築と通じる構成ですが、
とにかく巨大性を求めたそれと違い、思っていたよりも小柄なスケールで
なにより明るく、清潔感さえ漂います。

工業用のリベットを装飾的に多用しているので、A.E.Gのタービン工場のような力強さが
あるのかと思いきや、むしろ工芸的イメージの方が強く、威圧感は全くなかったです。

この郵便局は今も現役で使われていて、とてもきれいに保存されています。
これは100年前の建築ですが、これに限らずオーストリアのひとは近現代建築を尊重してますね。
その取り組みが始まったばかりの日本とはまだ雲泥程の差があるように思いました。

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