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2008年4月 3日 (木)

東山魁夷展

*東山魁夷展/東京国立近代美術館
 080518まで/10:00-17:00(-20:00木金土)/0407、0414,0421,0512休/1300円

http://higashiyama-kaii.com/index.html

生誕100年を迎え、本制作約100点、スケッチ、習作約50点の大規模な回顧展です。
大きなサイズの作品が多いので見応えがあります。
平日の午前中に行ったのですが、結構な人出がありました。
基本的に時系列に沿った展示で、時代、テーマごとに7章に分けられています。

自分は日本画にはほとんど興味がなく、氏も谷口吉生が生前に長野に美術館をつくった
という程度の知識しかなく、たまに展示で遭遇するも意識して見たことはあまりありませんでした。

初期の作品の展示は少なく、多くの画家が若い時期に残す印象派的風景画からは
クレーやカンディンスキーに見られるような才気は感じられませんでした。

が、1947年氏が39歳のときの作品「残照」では既に完成された独特の画風が見られます。
対象を風景画に絞り、要素を削って単純化していくと同時に
「白」を薄く効果的につかって、日本独特の光を再現しています。
そのひとつの到達点が1950年の「道」です。
情緒的ミニマリズムとでも表現できるでしょうか。

その後、画風は抽象、キュビズム風に流れながら、北欧を旅することによって
日本と違う光を感じ取り、シャープなラインを伴ってまた具象の方に戻ってきます。

しかし人生は長い。氏の作風は徐々にイラストレーションの風合いを強め、
作為的ファンタジー色が強くなり、遂に絵になかに空想の白馬が登場します。
これはさすがにやりすぎだったのか、長くは続きませんでしたが。

氏は基本的に風景画家ですが、建物も描いています。
しかしこれは白馬と同様、残念なことに稚拙。
基本的に器用な方ではなくて、作風を縛ることで成功したあたりは
コンクリート打ち放しにこだわった安藤忠雄あたりと共通点があるかもしれません。

晩年は中国の風景に感銘を受け、水墨画にとりかかります。
このあたりはいかにも日本画家の人生という感じがしますね。

全体を振り返ると、氏は40歳前後で制作力のピークを迎え、同時に世に認められました。
しかしそのあとは膨大な人生の余白を埋めるべく、いろんな方向に流されながら
とにかく風景画を描き続けた、絵に人生を捧げたような生涯だったように思います。

真面目な方だったのでしょう。
それが幸せだったのかは本人にしかわかりません。

あ、併設レストランの「アクア」に久しぶりに行きましたが、サービスがひどい。
味も落ちたなあ。クイーンアリスは勇気ある撤退を望みます。評判落とすよ。

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