« iMoという名の自動車 | トップページ | 岡本坂にチャレンジ »

2008年12月22日 (月)

北沢のオープンハウス

勤務していた事務所つながりのiさん設計の処女作を見に行ってきました。
建築面積28平米、間口4m程度の狭小住宅の改修ですが、
ほとんど全面作り直しています。

外観はまあ普通のローコスト、セルフビルド風住宅なのですが
玄関からなかに入ってびっくり。
吹き抜けがあり、上部は全面トップライトで
黒皮のみで覆われたごついキャンチレバーの鉄板階段が、
オブジェのように屹立しています。
階段手摺の太いパイプは地面に接することなく宙に浮いています。
その荒々しい仕上げもあって、イメージ的には内部というより中庭で
外から入ると明るさと相まってかなり戸惑います。

1階は間口1.5m程度の廊下のように細い寝室と、バス、トイレ。
バスルームは腰までコンクリートを打ち、炭モルタルで仕上げ、
浴槽は床を単純に掘り込んだだけというもの。
洗面台もコンクリートで同様にモルタルでボウルを成型しています。

こういうやり方は見たことはあるしセンスいいと思っていましたが、
下手するとみすぼらしくなるし機能的には既製品に劣るので
なかなかやれるものではないです。

トイレも必要最小限のものだけで構成され、ミニマルな便器の他は
手洗い、タオル掛け、ペーパーホルダーもありません。
まあ、これは後付けするのかもしれませんが。

階段を上って2階にはまずリビング。
ここは唯一、壁を真壁にして改修前の構造体を見せていて
階段室からの光で十分な明るさを保っています。
ここからは細切れになった変化に富んだ空間が見え、
そこと一体化していることもあり、狭さを感じさせません。

2階のキッチンの上部も全面トップライト。
ここはさすがに滞在時間が長いせいか、トップライト下に幕が張られています。
この斜めのシェードが空間のいいアクセントになっています。
キッチンカウンターは板状で、上面に2口コンロがはめ込まれています。
床はFRPのハニカム材で、1階の寝室に光を落としています。

キッチンを通って突き当たりには小さな書斎と収納があり、
この家唯一の大きな開口があって、明るく気持ちがいいです。
冬場は2階、夏場は1階が過ごしやすいでしょうね。

全体を見ると狭い面積をさらに細かく6分割してあって、
その真ん中の2ブロック、玄関とキッチンが光庭の役割を果たしています。
4mの間口を2分割するのは勇気がいったことでしょう。

素材の扱いはとても乱暴で、コールハースのボルドーの住宅を想起しました。
その「家らしさ」を排除していく方向性は共感できます。
しかしそれにはかなりのセンスと施主の理解が必要で、
今回はそれが幸運にもマッチしています。

iさん、おめでとう。いいもの見させてもらいました。
久しぶりに建築から元気を貰った気がします。

« iMoという名の自動車 | トップページ | 岡本坂にチャレンジ »

建築」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1932160/52487043

この記事へのトラックバック一覧です: 北沢のオープンハウス:

« iMoという名の自動車 | トップページ | 岡本坂にチャレンジ »