« 尾根幹、羽村堰 | トップページ | Alchemy Goods »

2010年1月24日 (日)

姉歯事件、その後

姉歯事件からここまで至るまでに日本の建築界が得たものって何でしょう
RT @hiroakitaki: 建築確認申請、6月から簡素化だって。やったじゃん!

twitterでkさんからリツィートされた件につきまして、
ちょっと長くなるのでこちらで書いてみようと思います。

まず、この事件、結局姉歯氏が私利私欲のためにやったということになっています。
これがにわかに信じがたい。
だって構造設計で鉄筋を少なく見積ったとしても、設計料自体が高くなるわけではない。
また、計算の手間が大幅に減るということもないと思います。

もし、どんぶり計算が可能だったとしても、
その場合安全側、イコール鉄筋を増やす方向で進めるはずです。
これは万が一の事故に備えて。

それを減らす方向で動いたのは、外部から何らかの
無言有言の圧力がかかっていた、と考える方が納得できます。
鉄筋を減らせばその分コストは下がりますし、
柱の径が小さくなれば、その分だけ居住スペースが広くなります。

そうしたメリットを享受できるのは誰か。
それはデベロッパーにおいてほかないでしょう。
実際に日本の今のマンション設計、建設の現場では
デベロッパーが異様な強権を握っているのは事実です。

その歪んだ体質を告発したのならともかく、
姉歯氏が自ら罪をかぶり、なんら問題提起しなかったのには幻滅しました。
結果、姉歯事件がもたらしたプラスの部分はなかった。
いち構造設計者と見た場合にはあまりにも特殊な犯罪でした。

それがメディアによって過剰に問題視された結果、
建築設計において過剰とも言える制度変更がされました。
その過剰な部分の最たるものが、建築確認申請の手続きの煩雑化です。
今や確認申請がおりるまでの期間は70日前後と言われています。
制度変更直後は現場で混乱が起き、更なる時間がかかったケースや
完全にストップしてしまった現場もあると聞きます。

これが日本の景気に与えたダメージはかなりのものだったようです。
今の建設不況との因果関係もないとは言えないでしょう。

それが今回、ようやく改善されていくようなのですが、
トータルに見て、姉歯事件は百害あって一利無しのものであったと言うしかありません。

« 尾根幹、羽村堰 | トップページ | Alchemy Goods »

仕事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1932160/52546226

この記事へのトラックバック一覧です: 姉歯事件、その後:

« 尾根幹、羽村堰 | トップページ | Alchemy Goods »