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2010年5月 4日 (火)

建築はどこにあるの?

美術館が建築家になんか作れという企画は、P1020497
人選も含めて納得できないものが多く、普段ならスルーするのですが、
たまたま時間がとれたために見に行ってみました。

*建築はどこにあるの?/東京国立近代美術館
 100808まで/月休、0720休/10:00-17:00(-20:00金)/850円

建築家による7つのインスタレーション。
作家はアトリエ・ワン、中村竜治、中山英之、鈴木了二、内藤廣、菊池宏、伊東豊雄
ほぼこの順番に列んでいます。
めずらしく写真撮影可。欧米では普通なんですけどね。

・アトリエ・ワン:屋外展示。美術館の前庭の芝生に「まちあわせ」なるオブジェを組んでいる。
 竹で宮脇愛子の「うつろひ」のような構造を組み、束ねることで伊東豊雄の
 瞑想の森のような空間をつくっています。ベンチまで用意しているところからしても
 あきらかに用途を考えられていて、これは美術というより建築でしょう。
 あえて美術館の企画でやることでもないかと思いました。若干の施工不良あり。

・中村竜治:「く」の字型の紙のピースの集合でできた、とても繊細で華奢な構造体。
 その透明感はすばらしくはかなく美しく、これを見るために来てもいいと思いました。
 その様相は周囲を巡るたびに変化していきます。椅子に置かれた熊のモデルもキュート。
 氏は建築としての実作を存じ上げないので、今のところは美術家とカテゴライズされるのが妥当かと。

・中山英之:カフェのコンペの1/3模型。2つの構造物でゆるやかに空間を秩序づけるという方法は
 よく理解できますが、肝心の床(グリーン)を再現しないのであれば感覚的に良さが把握できません。

・鈴木了二:スケール不明な大きな構造体模型で、なかには入れません。入れないということで
 建築の魅力の数分の一も伝わってきません。

・内藤廣:天井面より複数の線状のレーザーが床に当てられていて、ストライプをなしており、
 なかに入ると身体がスキャンされて輪切りになったような印象を受けます。
 表現も禁欲的でとても魅力的だったのですが、発想自体は宮島達夫さんらが先取していますし
 建築家としての実作とコンセプトがかけ離れている点から言っても、
 これは一発アイデアととられても仕方ないかも。

・菊池宏:建築模型に回転機械を取付け、光の当り方が変化していくさまをカメラで撮影し、
 次の部屋でプロジェクションされた映像を見るというもの。アイデアとしては面白いのですが
 それが十分に展開されていないように思いました。模型の取り付いた機械も
 牛島達治さんの作品のようでぱっと見、よさげでしたがよく見ると造形も稚拙です。

・伊東豊雄:氏の最新のプロジェクトの構造体を取り上げて、その美、面白さを展示しています。
 今回のメンバーでは最長老で、最も建築に沿った作品。そういう意味で保守的なのですが
 実際にその構造体は複雑で美しい。実務において最も美術に近い仕事をされているのだと再認識させられました。

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