建築4題
まずは自宅を南下して小田急線沿いをしばらく下ったあと、南の細い路地へ入っていきます。
ここのあるのは妹島和世さんによる梅林の家。2003年竣工。(写真上)
厚さ16ミリの鉄板で構成されたホワイトキューブに様々な大きさの正方形の窓がランダムにあいています。
あの石上純也氏が担当して、16ミリの壁の厚さに納得していなかったという逸話あり。
施主は大手広告代理店の社員で、その後独立。パートナーは映像ディレクターです。
奥様がエコロジー方面に傾倒していったせいか、屋上は堆肥による自然緑化がなされています。
敷地のあいている部分にも、もとからあったと思われる梅の木がかなりの大きさに育っていました。
その足元は雑草で覆われているのですが、あれ?ゴミが投棄されている?網戸破れてるし、
後づけされたであろう自立したポストは傾き、自転車が無造作に並べられ、建物の一部には錆が。
うーむ、これはひとが住んでいるのだろうか。広告代理店からイメージするお洒落感はありません。
その朽ちた感じと、竣工後に他の建築家に造形手法をパクられまくったせいか、オーラを感じない。
まだこの3年前に竣工した小さな家の方が魅力を感じます。
ひと晩、楽しみにしていたのになあ。かなり落胆して次に向かいます。
環八を北上し、井の頭通りを左折。そのまま直進して多摩湖自転車道に入ります。
花小金井近辺でちょっと道を外れて細い道を進むとあるのが米田明さんによるホワイトベース。(写真下)
2006年の作で、漫画家さんのスタジオ兼住宅。
開口部の少ない閉鎖的外観とアクロバティックなキャンチレバー構造が特徴です。
実物は思ったほどの違和感はありませんでしたが、やっぱり無理している感じはある。
階段が水平方向の振れ止めになっているのでしょうが、そこまでしてやることか。
それより不気味だったのは表札らしきものがなく、帰宅してGoogle Mapのストリートビューを見ても
画像をぼやかして見られないようになっている。施主の名前を検索しても出てこない。
とにかく徹底して閉じている。そのせいか存在感の薄いイメージしか残りませんでした。
帰り道、井の頭通りで北河原温さんの小野建設本社と池田靖史さんの井の頭通りの家を発見。
でもこれ、両方とも事務所のHPに載せていません。消したい過去なのか。この日はこんなのばっか。
と、浜田山の住宅展示場でこの日いちばんの収穫が。
井の頭通りの歩道をフタコブラクダが歩いていました。なんともシュールな。
Facebookによるとジャクソンくんというらしい。
そのスローな動きを見て癒されました。この日は建築<動物な1日でした。
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