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2012年5月20日 (日)

駒沢公園の家

もともとはこの家じゃなくて長谷川豪さんの家の方を捜していて、R0011335
ネットで検索したらこちらの住宅も引っかかったので、ざっと見回った限りでは見つからず。
戻って新建築誌の動画で情報を補充したところ、2回めですんなり見つかった次第。

妹島事務所出身の二人の建築家の共同によるおそらくデビュー作。
既存の住宅の改修で、このプロジェクトはSDレビューにも入選していたようです。
たぶん建築家の自宅兼事務所。と考えないとありえないような作品。

既存住宅は骨組みにまでばらされ、真ん中でまっぷたつにされてさらに南側に増築。(写真左手)
新築にしなかったのは、前面道路が4m幅ないので既存不適格だからだろうか。
さらに2m幅で椄道する旗竿敷地なので、工事は大変そう。
周囲は住宅密集地で、南側からの採光も期待できない。
なのでこの土地代は安かったのでしょう。でなければこんな敷地、誰も買いません。

写真は西側隣地の空き地から撮影。動画では農地に見えますが現状は荒れ地。
ストリートビューで過去の状態を確認すると、空き地と敷地の間にはもともとフェンスがあるので
おそらく空き地はまったく他人の所有物で、いつ建物が建ってもおかしくない。

そんな極めて厳しい条件から、建物にスリットを入れ、上から採光するという手法をとったのでしょう。
しかし結果から言うとこれは失敗。強引過ぎてバラックに見えます。
既存建物への敬意や愛情に全く欠いていて無惨としか言いようがない。
確かに平々凡々たる建物でしたが、ゴードン・マッタ=クラークの作品じゃないんだから。
開口部がほとんどFIX窓というのも気になります。

技術的にも問題があります。
3つの建物が構造で締結されていないので、地震でそれぞれが違う揺れ方をして、
2つのスリットからはかなりの確率で雨漏りがするでしょう。
中央の建物の1階の鋼材のブレースも効くのかなあ。不安があります。

とても他人のお金を使ってこんなリスキーなことはできません。
なので建築家の自宅兼事務所であると確信しているのです。

既存建物を利用した建築家自邸となるとフランク・ゲーリー邸が想起されますが、
外科手術を経てサイボーグになったか植物状態になったかくらいの差があると思います。

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