表札
うちの実家は郊外にあり、大谷石の塀をくりぬいて蛍光灯を埋め込み、
表札は白いアクリル板でバックライトを当てるという凝ったものでした。
もう築45年になりますが、竣工当時は違和感はありませんでした。
立派な表札をかけるというのは日本の住宅の慣習のようなものでしたが、
今は個人情報保護の時代。
豪邸であればあるほど表札が見当たらなかったりします。
地域のコミュニティが薄れているというのも表札が退化した
ひとつの理由としてあげられるかもしれません。
一方、基本的に現代都市住宅と表札もあまり相性がよくありません。
高度に抽象化した造形に対し、表札というのは意味を持ちすぎています。
ぼくの自邸ではインターホンのそばにプリントアウトしたシールを貼っています。
自宅と事務所で2つのインターホンがあるので、違いがわかるように。
それと別に、竣工時は塀にも少し何かが欲しいと思い、
しかし名前だと上記したように違和感があるので、職業を入れました。
真鍮製の切り文字アルファベットでARCHITECTと。
それが「町の建築家さん」という感じになればいいなと淡い期待も持っていました。
しかし結果として地縁による仕事というのはほとんどなく、
逆にゼンリンの住宅地図に「ARCHITECT」と記入されてしまい、
出前や配達の人が混乱するという事態を引き起こしたので、今は外しています。
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