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2013年2月 5日 (火)

団地の給水塔

この前のライドの帰りに偶然通りかかった団地、多摩川住宅の給水塔です。Rimg0093
その造形の素晴らしさに思わず立ち止まり、撮影しました。
帰宅してネットで検索すると、給水塔萠えの方々にも有名なものらしい。

海外での計画案はコルビュジェなどの1920年代あたりから存在しますが、
日本の団地、郊外型大規模集合住宅は日本住宅公団のリードによって
戦後、1955年から建設が始まっています。

時代はモダニズム。形態は機能に従う。装飾は罪悪である。
団地そのものはその命題に乗っ取って計画されましたが、
給水塔というのは一定の規模が必要にも関わらず、機能というのは少ない。

具体的にはタンク、ポンプとそれをつなぐ配管とメンテナンス用ステップ程度。
ボリュームとしては頭でっかちになりがちです。
真面目なモダニストはこれを逆円錐と円筒の組み合わせで解決しています。
それがデザインの恣意性を消す最もスマートな方法だったのでしょう。

もうちょっと進んで、神戸ポートタワーやせんだいメディアテークで使われている
双曲面構造を用いたひとも現れました。
多摩川住宅の給水塔はそれに似ていますが、印象は全く異なります。

それは同サイズの円錐を片方を逆さまにして上下に組み合わされています。
構造的には横応力が屈曲部に集中するのであまり合理的とは言えない。
一方でその存在感は強烈です。

その印象はどこからくるのかと言うと対称性です。
プランが円形で全方向に対して同じである上、垂直方向にも対称。
これにより造形が前面に出てきて機能や重力といったものが後退し、
ひとつのオブジェクトとなって、呪術的イメージをまとっている。

球体などこうしたシンボリックな造形はむしろ旧東欧圏にて見られるものでした。
それは来るべき国家の未来像の象徴だったのか。
それが旧西側の日本の団地に5本も立ったものだから違和感ありあり。

個人的には好きなのですけどね。

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