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2013年4月18日 (木)

創作欲求

一般的に建築家はより大きな建物、公共性の高い施設を設計したがると思われているでしょうがPhoto3602
ぼくはこれには当てはまりません。それは社会に出たタイミングと関連しています。

ぼくが大学を卒業したとほぼ同時にバブル経済が始まりました。
就職した大手事務所に次から次へと大きな仕事が持ち込まれるなか、
ぼくは建物のデザインを専門とする部署に配属されました。

まだ建築がどう設計され建てられていくのか、実務を全く知らないぼくには重荷でした。
事務所の上層部は実務を知らない方が自由にデザインできると判断したようですが
これは誤りです。ぼくのあとに配属になった社員は重圧に負け次々と倒れていきました。

ぼくはそこで生き残るため、無難で大人なデザインを探りました。
そして集合住宅やオフィスビルから小中学校や庁舎に至るまでのデザインをしました。
しかしこれは決して楽しい仕事ではなかった。ただ仕事をこなしているだけ。
そこには信念も何もありませんでした。

事務所を移ってからはよりアーティスティックなデザインができるようになり、
屋内型アミューズメントパークを手がけましたが、基本的には同じことでした。

その事務所を辞して自分の事務所を開設する頃にはとうにバブルははじけていて仕事はなく
しかしその分、自分はなにをやりたいのかやるべきなのか考える時間はたっぷりありました。

そんな時に入ってきた仕事が世田谷s邸。初めての木造住宅の設計でした。
ここでは木造の工法を1から学びながらデザインを行い、
無理なく自分のスタイルを出せたと思います。それは本能のようなものでした。

ぼくは今は建築の大きさにも用途にも数にも立地にも興味はありません。
ただs邸の時のような本能的な設計をもう一度してみたい。そう思っています。

コンペも自らが出来上がりをワクワクしない案で勝っても仕方ない。
自案なら岩見沢駅舎くらいでしょうか。

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