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2013年6月20日 (木)

変奇館の真実

高橋公子さんに関する書物が届きました。Henkikan
詳細に渡る記述で、変奇館の真実も明かされています。

まず、変奇館の竣工時の写真をご覧ください。1969年竣工。
現代の感覚からするととてもモダンなデザインに映ります。
当時平行して設計が進んでいたIs邸やKi邸と比べても仮設性が薄まり
この写真を見る限りではCSHのような高級感さえ漂っています。

しかし山口瞳は反発した。「透け透けのガラス箱に入れられて堪るか!って」
いやあ妹島さんに聞かせたいです。こういう感覚のひともいるのですね。
変奇館という名前はこの外観に対して付けられたものでした。なんとも意外です。

「家の真ん中にある半地下の部屋が食堂」とは道路に沿った建物と写真奥に見える
道路から直角に延びる建物、平面で言うと変形したT字のプランの直線それぞれが
半層スキップしているということだけです。操作としては至ってシンプル。

これも受け入れがたいものだったようで、山口さんという方は意外と保守的です。
ただ2回見舞われた食堂棟の水没というのは事実だそうです。

建物は1978年に高橋さんの手で増築されています。それがほぼ現在の姿。
食堂棟の上は増築を見込んでいましたが、居間の上には考えていなかったので
支持材として玄関のコンクリート壁が打たれました。
上部のヴォールト屋根は道路への圧迫感を避けるためと記述していますが、
おそらくは施主の好みに合わせたのでしょう。そこには高橋さんらしい繊細さはありません。

さらに1996年に長年の雨漏りを解決すべく、ヴォールト部分以外の屋根すべてに
勾配屋根がかけられたことにより、ぼくらの眼からすれば変奇館はその名の通りの風貌となりました。
内部は4層のフロアがスキップしていて迷宮性は増していることでしょう。

結局は趣味趣向の合わない施主と建築家の不幸な出会いだったとまとめられそうです。

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