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2014年4月 2日 (水)

安佐町農協町民センター

象設計集団と地井昭夫氏による安佐町農協町民センター(JA広島安佐町民センター、1985年竣工)A0074197_05319
が取り壊されたと聞き、ネットで検索してみると2002年に解体されたとのこと。たった17年の命。

共同した地井氏は2006年に65歳で亡くなっています。
吉阪隆正のもとで学び、主に漁村集落のフィールドワークなどに携わった。
広島大学名誉教授。マルクス主義に傾倒していたらしい。
氏によると安佐町農協町民センターは地域の条件に即した破壊的、非科学的建築だったとのこと。

検索すると他に平野博昭氏なる広島市議のホームページがヒットしました。
自民、保守クラブを会派としているのでどちらかというと右寄りな人物。
2003年11月7日の記事にはこう書かれています。

−この『安佐町農協町民センター』はバブルのはじまりの頃の建物で市民の皆さんは
−よくご存知だと思います。安佐町農協が華やかなりし頃の作品でありますが、
−奇抜なデザインとは裏腹に使い勝手が悪く、利用価値のないお荷物だという評判も聞きました。
−現在は、解体されて写真でしか見ることはできません。

1985年発行のSDの象設計集団の特集号によるとこの丸いドームは農協組合長の強い要望で
実現化したもので、使い勝手の悪さは百も承知であったはず。
ただ、コープタウンあさひが丘の剰余金で建設したという話でバブル臭もなくはない。

恐らく解体には建設を敢行した元組合長の人間関係や思想信条が絡んでいる。
しかし例えば左の政権がつくった建物を右の政権が破壊するというのは許される行為なのか?
これではターリバンによるバーミヤン石仏の爆破と何ら変わりないのではなかろうか。

つくる側の思惑は様々なれど、建築には罪はありません。
そして建築はどんなものであれ維持費はかかります。
計算上は割にあわないように感じるかもしれませんが、文化とはそういうものです。

ぼくは瓦葺のドーム屋根というこの建築はいいものだったと高く評価しています。
P.アイゼンマンに再評価されたカサ・デル・ファッショの例を出すまでもなく、
建築というのはそんなに短期で評価が定まるものですらありません。

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