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2014年9月21日 (日)

ふじようちえんキッズテラス内覧会

手塚夫妻によるふじようちえんキッズテラス増築の内覧会に行ってきました。R0011178
本体である2007年竣工のふじようちえんと2011年に竣工したツリーハウスも見られました。

建築として見れば、藤本壮介を彷彿させるツリーハウスが最も切れ味がいい。
柱に鉄のムク材を使い、床厚もミニマルで抽象的な図式がそのまま立ち上がった感じ。

ふじようちえん本体にはそこまで徹底したものは見られませんが、これもよかった。
恐らくスケール。2.1mの低めの天井が途切れることなくスーッと伸びていく。

プランがバカでかいので相対的に建物高さは低く、屋上が近く見えます。
屋上はすべて木製デッキになっていてとにかく広く、中庭にも閉塞感はありません。

手塚さんのレクチャーも聴きましたが、オープンでシームレスにつながっているって
いいことじゃない?という話にも納得してしまいます。

手塚夫妻が住宅で散々やっても住み手がカーテンやすだれをつけてしまって
思ったように使われていないのが、ここでは遂に実現しています。

ただこの建築、素朴というか本当に何もしていません。
普通に考えると職員室、園長室、トイレ、更衣室、倉庫などは密かに地下に持っていく。

しかしここでは保育室と同じ屋根の下、ブースで区切って機能諸室がセットされています。
越後松之山のキョロロではこれで失敗していますが、ここでは気にならなかった。

これは使い手の技量によるところが大きいのではないか。
園長先生のお話も聴けましたが、むしろ先生のほうがフルフラット化にこだわったのではないか。

つまり壁を設けないということですが、これにはデメリットもあります。

構造的には壁がないと不安定になります。ぼくはこれが成立しているのが信じがたい。
外に対して壁を設けないと防犯面が不安です。これは警備員さんで対応している様子。

雨は吹きこみ浸水するし、暖房は効かない。音は筒抜けで騒がしい。屋上のメンテも大変。
この建物は普通に運営、維持していくだけでも大変なものです。

それを乗り越えるだけの意志が運営側にあるということだと思います。
それは広い中庭に遊具がひとつもなく、かわりにポニーが2頭飼われているあたりからも伺えます。

自分に子どもがいたらここで学ばせたいと思わせる場ではあるのですが、ちょっと引っかかる。
つながること、壁がないことはいいことだよね?っていうのにイデオロギーを感じます。

そうかなあ、それはみんな同じだと、わかりあえるということですが実際はそうではない。
ぼくらは実に様々なレベルで違っている。同じだというのはむしろ理想だ。

壁があったほうがうまくいく関係というのもあると思います。それは必要悪と言っても構わない。
この幼稚園と同じ依頼は恐らくまだない。やはりこれは特殊解なのだと思います。

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