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2015年5月17日 (日)

追悼 Simon Ungers

50歳で亡くなった建築家について書いたことがあります。124276865_bd897da1ea
しかし、たいがいの建築家の死因は病死で、たまに事故死があるくらい。

建築家のサイモン・ウンガースは著名な建築家オズワルト・マティアス・ウンガースの息子で
1957年生まれ。妹島さんや坂さんと同年代にあたります。コーネル大学で建築を学んだエリート。
30歳の時に独立し、35歳で代表作T-HOUSE(写真)が竣工し、世界中から注目を浴びました。

ここまでは順調そのものでしたが、1995年にベルリンのホロコーストメモリアルコンペで
もう一つの案とともに1等を獲得するも、ともに実現化されず、結局再コンペで1等になった
ピーター・アイゼンマンの案が採用され建設されたあたりから人生が狂い始める。

その後、実現化する建築はほとんどなく、彫刻の仕事にシフトしていく。
コーネルやハーバードで非常勤で教えるも、契約は単年度止まり。

2000年代に入ってから幾つかプロジェクトを作成され、それはAUTONOMY AND DIALOGUE
という書籍にまとめられ、2005年に出版されました。その際のインタビュー動画がこちら。
https://vimeo.com/9562266

おそらくこの頃には既に精神的疾患にかかっていたと思われます。理路整然と喋れるし、
笑顔もあり痩せてもいないので一見するとわかりませんが、インタビュアーの話を聞くときに
かなり辛そうな表情をするのが見て取れます。

結局彼はこの翌年の3月に48歳の若さで自らの命を絶ちます。

彼が晩年やろうとしていたのはチューブの3次元的屈曲であり、ぼくのt邸、s2邸、sad towerで
目指したものに近い。彫刻であればソル・ルウィットが一見近似していますが、
見据えていたものはむしろジャコメッティに近いものがあるのではなかろうか。

スティーブン・ホールも似たようなプロジェクトを練りながら実現化していません。
同じヴィジョンを見据えていたものとしてその死は残念でなりません。

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