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2015年9月26日 (土)

住宅設計

各所で住宅建築家を名乗っていてなんですが、
建築家はなるべく早くに住宅設計から身を引くべきだと思います。

よく言われるのは稼ぎの少なさ。1人の所員が半年張り付いて、基本設計、実施設計

確認申請から見積もり調整まで。着工しても週1日は現場監理に通う。

これでは所員ひとりでせいぜい年に2件しか受け持てません。

対して設計監理料はだいたい総工費の10%。これでも高いと思う施主は多いでしょう。

しかし普通の住宅はせいぜい2000万円台、年2件で設計料500万。

これから事務所家賃とか設備経費、交通費などが引かれると、年収400万円にも届かない。

若いうちは良くても養う家族などができてくるとこれでは全然足りません。

一方で手がけた住宅の軒数は膨大な数になります。ひとりで20年として実に40軒。

設計瑕疵を保証する保険は必須となりますが、これも無条件におりるわけではない。

また瑕疵とまではいかないながら、住宅に不具合はつきものでその度に呼び出されます。

雨漏りから、材料の割れ、揺れとかチャレンジングな構造にするほどその頻度は高くなる。

施主、施工者、職人と設計者の都合を合わせて見に行く。場合によっては貸借人も入ってくる。

結構な時間をとられますが、一般的にこれで費用を請求することはない。

そしてこれが根本的なことですが、建築家が求める空間というのは生活とおおむねなじまない。

建築物というのは集合住宅も含めてそれだけで生活に制約を与えます。

建築家がつくる建築というのはそれを推し進めるもので、端的に言って住みづらい。

建築家が自邸に住んでそう思うので間違いありません。名作と言われる住宅はみんなそう。

住み手に何らかのストレスを与えて、それが家族関係にも影響をおよぼす。

それは客観的に見てたいがいいい方向へは進まない。美術品のなかに住むと考えるとわかりやすいか。

建築家に住宅設計を頼むなら、富裕層の別荘くらいにしたほうがいいのかもしれません。
もちろん建築家によって程度の差はありますが。

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