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2015年9月19日 (土)

スミレアオイハウス

スミレアオイハウスの奥様、萩原百合さんの訃報が流れてきました。まだ53歳だったそうな。R0013469

戦後まもなく建てられた増沢洵さんの自邸の構造骨組みを復元し、

それを現代風にアレンジして建てられたのが最初の9坪ハウス=スミレアオイハウスです。

16年前の話ですが一時期だいぶ話題になり、9坪ハウスはシリーズ化されて他にも幾つか建っている。

基本的には狭小住宅です。吹抜はあるも間仕切りはほとんどなく、ワンルームのようなもの。

高さも今の一般的な住宅からすると、だいぶ低く抑えられています。

増沢さんはここに親子3人で住み、15年後にまた新居を建てて移っています。

たぶん増沢さん自身は仮設住宅のイメージでこの家を建てられたのではないか。

一方萩原さんはここに親子4人で住んだ。現物のスケールは知っていますが、これには驚く。

感覚としては東さんの塔の家が近いですが、あそこに4人は住めないでしょう?

スミレアオイハウスで最も苦労したのは恐らく奥様です。この家には距離が足らない。

故に家と闘い、娘と闘い、近隣と闘い、自然と闘い常に家にいる奥様は満身創痍だったのではないか。

そんな実質的な大黒柱を失ったスミレアオイハウスは今後どうなるのだろうか。

娘さんは計算すると今24歳と22歳。丁度巣立ちの時期です。

ご主人が家に帰ってもそこにあるのは過去の生活の抜け殻です。

吉阪隆正の自邸は氏の没後解体され、奥様は郊外の住宅メーカーの家に移り住んだ。

伊東豊雄のシルバーハットは、娘さんは恐らく家を出て夫婦2人になったところで奥様に先立たれ、

レプリカが移設されましたが、シルバーハット本体は解体された。

伊東さんのお姉さまの家だった中野本町の家は、子供が巣立つタイミングで壊された。築21年。

住まいの図書館出版局からその顛末をまとめた本が出版されていますが、

娘2人という点など、スミレアオイハウスと共通するところがある。

奥様以上の情熱を持ってあの家に住む覚悟のある人はもういない。

合掌

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