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2016年8月11日 (木)

生き残る建築

建築は壊されたら負けです。

建築史というものはその当時の研究者や編集者が修正しながら引き継いでいくものです。

それが、現物を見たことがあるひとが生きているうちはいいのですが、

現物が壊され、見た人も亡くなってしまうと、もう判断のしようがなくなる。

ぼくは旧東京都庁を見ていますが記憶は薄れ、いま評価しろと言われても難しい。

写真と同時期に竣工した他の建物を参考にするしか方法はなく、情報量は全く足りない。

旧赤坂プリンスホテルでさえ、もうだいぶ忘れかけています。

他の例で言えば、ぼくはシルバーハットのなかに入ったことはない。道路からちらりと

見えたのと、隣のマンションの屋上から俯瞰しただけでもう現存しません。

平面図も写真もあるのですが、ぼくはシルバーハットをわかっていない。これは確実に。

建築の歴史書に出てくる建物は95%が現存していると言っていいでしょう。

それはパルテノン神殿やギザのピラミッドなどまで含めて。今ならCGであたかも

復元したような映像はつくれるでしょうが、これでも全然情報量不足。

設計図を元に復元という手もあるにはありますが、そんな金をかけるくらいなら

保存したほうが余程いい。現場を見ての設計変更などがあった可能性があるし。

シルバーハットも移設したものがありますが、中庭や床など明らかに別物です。

壊してしまったら終わりなのです。そこを本当にわかって意識しているひとは

少ないのではないか。DOCOMOMOも対象を増やすのではなく、むしろ絞り込んで

必ず残すべきものに資金も含めて注力すべきだと思います。

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